町は変わる、それは本当のようです。

もうこの世から消えてしまったラーメンがあります。私が今まで食べたラーメンの中で、ナンバーワンでした。そのラーメンを作るラーメン屋さんは、私のふるさとの小さな町にありました。「ごんたラーメン」というラーメン屋さんでした。スープは白いとんこつ風味。面は極細で且つコシがあり、とても大きなラーメンどんぶりに、すれすれまで入っていました。そして、その上に2枚のとろけるようなチャーシュー。家族での外食はあまりしませんでしたが、母が年に数回ほど出前をとることがありました。故永六輔そっくりのご主人が50ccのカブでやって来て、アルミの箱から玄関で蓋を開く。輪ゴムを使ったラップのようなものを取り外すと、独特の香りが漂い、うっとりとしたものです。私の妻も同郷ですので話を聞くと、高校時代には友人と、大学時代の里帰りの際は幼馴染と食べに行っていたそうです。ある日店のシャッターに「閉店」と書いた紙が貼ってあるのです。とてもショックでした。同級生に電話をしてその話をすると、がっかりしていました。あれほど美味しかったラーメン店の閉店は、本当に残念なことでした。どうして閉店になったのか、色々な噂話があったのですが、一番そうだと思えたのは、ご主人が病気になったらしいということでした。息子さんが後を継ぐだろうという話しも聞いたのですがそれは実現せず、「ごんたラーメン」は歴史を閉じました。私はラーメン好きで、色々な店に行ってみるのですが、あのラーメンを超えるものにまだ出会っていません。さて、私の故郷の街の雰囲気はガラッと変わりました。小さな小売店は軒並み閉店し、かろうじて小さな薬局と食堂などが細々と営業し、人の流れは大きなモールに流れています。本当にさびしくなりました。店を閉じても昔の外観を残しているのは一軒の散髪屋さんです。当時の板張りが残されています。「ごんたラーメン」と同時期に店を閉じたうどん屋さんも引き戸を閉じて人の気配もありません。あの賑やかさが戻ることはないと思うと、時代の流れは何なのだろうと思わざるを得ないのです。http://brightage.xyz/

町は変わる、それは本当のようです。